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ターニングポイントの先に Page1

Penulis: 日暮ミミ♪
last update Tanggal publikasi: 2026-09-27 09:00:56

――それから数ヶ月が過ぎ、季節はすっかり秋だ。

この夏は室長としての仕事に追われながら、稜也くんとの結婚準備に婚前旅行にと忙しかった。

両家顔合わせとして赤坂あかさかのレストランで食事会をした時には、両家の両親と姉夫婦がすっかり意気投合してしまい、当人同士である私と稜也くんそっちのけで盛り上がるシーンもあった。……でもまぁ、これはこれでいいのかもしれない。仲違なかたがいされてしまうよりは……。

婚前旅行は夏季休暇を利用して、二人で兵ひょう庫ご県の神こう戸べへ二泊三日で行った。神戸は何と彼のお母さま、彩華さまの故郷なのだそう。その割には彩華さまって関西弁を話されないけれど、神戸の人ってそんなに関西弁を使わないのかな……?

二人で街のあちこちを観光したり、美味しいものを食べたり、可愛いもの好きな私の意見を尊重してくれてアートな水族館や動物王国にも行った。

楽しかった三日間はあっという
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  • 恋の才能 ~年下御曹司はバリキャリ女の私にご執心!?~   ターニングポイントの先に Page2

    「――えーと、それは……つまり、私をヘッドハンティングしたい、ということでしょうか?」「ええ。そのような解釈で合っています。わたしは今日、あなたを弊社に呼びたいと思い、こうして足を運んで来たんです。……アポなしで参りましたのは申し訳なく思っておりますが」 私が混乱する頭で必死に捻りだした結論に、南沢副社長は大きく頷かれた。私を引き抜きに……? どうしよう? 急にそんなことを言われても困る。どう返事をすればいいのだろう?「はぁ……、そうですか」「弊社へ謝罪に来られた際の落ち着いた対応、その誠意に満ちた態度に兄が大変感服致しておりましてね。『彼女にはぜひとも、わが社でその能力を遺憾なく発揮してもらいたい』と申しておりまして。もし来て下さるようなら、それ相応の待遇を用意しているから――と。年収は千二百万円で、あなたのお望みのポストも用意する、と申しております」「年収、千二百万……」 思わず私の心がグラついた。そんな自分に内心愕然となる。 この会社での、今の私の年収は一千万。月収は六十万、プラスボーナス支給が年に二回でその金額である。それが年収千二百万ということは、少なくとも月収だけでも七十万~八十万になり、それプラスボーナスも出るということだ。収入の面だけ見れば、この話はすごく魅力的ではある。 それに、東亜商事は私を必要な人材だと言ってくれ

  • 恋の才能 ~年下御曹司はバリキャリ女の私にご執心!?~   ターニングポイントの先に Page1

    ――それから数ヶ月が過ぎ、季節はすっかり秋だ。 この夏は室長としての仕事に追われながら、稜也くんとの結婚準備に婚前旅行にと忙しかった。 両家顔合わせとして赤坂のレストランで食事会をした時には、両家の両親と姉夫婦がすっかり意気投合してしまい、当人同士である私と稜也くんそっちのけで盛り上がるシーンもあった。……でもまぁ、これはこれでいいのかもしれない。仲違いされてしまうよりは……。 婚前旅行は夏季休暇を利用して、二人で兵庫県の神戸へ二泊三日で行った。神戸は何と彼のお母さま、彩華さまの故郷なのだそう。その割には彩華さまって関西弁を話されないけれど、神戸の人ってそんなに関西弁を使わないのかな……? 二人で街のあちこちを観光したり、美味しいものを食べたり、可愛いもの好きな私の意見を尊重してくれてアートな水族館や動物王国にも行った。 楽しかった三日間はあっという間に過ぎていった。 「今度は新婚旅行で来たいね」 帰り際には、どちらからともなくそう言っていたくらいだ。 仕事の面では、今までとだいぶ変わったように思う。企画運営室内のあれこれに目を配るだけでなく、部署を代表して社内全体の大きな会議にも出なければならない。あれだけ問題山積みでズボラだった前任の遠藤元室長も、これだけには毎回せっせと顔を出していたらしい。 室長としての仕事は忙しいながらも充実していて、私は昇進してよかった。この会社に骨をうずめるつもりでずっと働いていたいな……と思っていたのだけれど。ある日を境に、私は重要な岐路に立たされることとなった。 * * * * 「――茜さん、ロビーにお客さまがお見えですよ」 十月のある日、珍しく真優と二人で外でラ

  • 恋の才能 ~年下御曹司はバリキャリ女の私にご執心!?~   上に立つ者の資格 Page6

     ――翌週、人事部から正式に辞令が下りて、私は遠藤氏の後任として企画運営室の室長に就任。そして稜也くんも同時にチーフに昇格した。「頼りない室長かもしれませんが、私はみなさんに寄り添えるような室長になっていきたいと思っています。仕事で分からないことや、仕事以外でも何か困っていることがあれば、何でも私に言って下さい。できる限り、解決できるよう私なりにみなさんの力になりますから。これからよろしくお願いします」「よろしくお願いします、尾崎室長」 部下を代表して稜也くんが私に頭を下げると、みなさんは温かい拍手で歓迎してくれた。「――では尾崎室長、さっそくですがこの企画書のチェックをお願いできますか? 中田から提出されたもので、僕のチェックはもう済んでいますので」「うん、分かったわ。ありがとう」 私は彼から手渡されたUSBメモリーを受け取り、パソコンでファイルを開いてチェックを始めた。   * * * *「――茜、室長就任おめでとう!」 お昼休みの社員食堂で、真優が私にお祝いの言葉を言ってくれた。乾杯しようと、冷たい麦茶のグラスを掲げられる。 今日のメニューは豪勢に、二人とも主菜がビーフステーキの日替わりランチだ。それでもワンコイン、五百円である。「ありがと、真優」 私も微笑んでグラスを合わせる。今日のランチは親友と二人、ささやかな祝賀会だ。「そういえば、彼氏の冴島くんもチーフに昇格したんだよね?」「うん、そうなのよ。どうも、社長と彩華さまが裏から手を回したらしい

  • 恋の才能 ~年下御曹司はバリキャリ女の私にご執心!?~   上に立つ者の資格 Page5

    「稜也、貴重な意見をありがとう。お前の証言はこの件において非常に重要だ。――では、本来の会議の趣旨とはずれてしまいますが、この場で採決を採らせて頂きます。木ノ原社長、あなたにもぜひ票を投じて頂きたい。ここにいる遠藤紀之氏は、管理職として不適合だ。処分を下すべきであると思われる方は、その場で挙手をお願いします」 冴島社長の呼びかけに、この会議室にいる遠藤室長以外の全員が手を挙げた。その中にはもちろん社長も彩華さまもいて、木ノ原社長までもが手を挙げているではないか! でも、それは当然の結果だと私は思う。誰だってこんな最低な上司の下では働きたくないもの。「――どうやら決まったようだね、遠藤君。過半数の賛成により、企画運営室長・遠藤紀之君を一般社員への降格、及び子会社への出向処分とすることが決定しました」「それって左遷ということですか!? そんな……!」  この会社では懲戒解雇、辞職勧告に次ぐ思い懲戒処分が告げられ、遠藤室長はその場にくずおれた。辞めさせるほどではないけれど、彼の年齢的にはこれだともう二度と管理職には戻れないという、いわばクビよりも苦痛な処分だろう。彼にはこれから生き地獄が待っているのだ。辞めさせて楽にさせようなんて、そうは問屋が卸

  • 恋の才能 ~年下御曹司はバリキャリ女の私にご執心!?~   上に立つ者の資格 Page4

    「――遠藤くん、これはどういうことなのか説明してくれないかね?」「い……っ、いえ! 違うんです社長! これは何かの間違いです! この連中が勝手に言っているだけで――」「私が、息子から何も知らされていないとでも思っているのかね? すべて聞いているよ。君が部下にどんな悪事を働いているのか」 社長に詰め寄られた遠藤室長は冷や汗タラタラで弁解しようとしていたけれど、稜也くんからすべて聞かされてご存じの社長はそれを一蹴した。「そうだね、尾崎さん?」「はい。遠藤室長は以前から、私のことが目障りだったようです。私を追い落とそうと、様々な嫌がらせを画策していました。部下のミスを捏造し、その責任を直属の上司である私に取らせるために。この度の企画書の件もそうでした。私がチェックしていた内容――つまりは後からお見せした内容ですが、それを室長がまったく違う内容に改竄していたんです。この大口案件で部下がミスをすれば、私は間違いなく降格処分となるだろうと見越して。――この人はそんな個人的な事情で、ここまで大がかりな嫌がらせを仕組んだんです」「そんなバカな! 社長はこの女の味方だと……」 社長もこちらサイドの人だと分かった

  • 恋の才能 ~年下御曹司はバリキャリ女の私にご執心!?~   上に立つ者の資格 Page3

     ――そして、午後の会議が始まった。 遠藤室長は会議に堀内くんだけでなく私と稜也くんまで出席することに疑問を呈していたけれど、私は「堀内君だけでは心許ないので、サポートとして同席させて頂くことにしました。よろしいですよね?」とニッコリ笑って返すと何も言えなくなった。……これ以上、あなたの好き勝手にはさせないわよ、遠藤室長! 会議室には私たちと遠藤室長、そしてウチの会社の重役たちの他に新規の大口取引先である〈木ノ原ホールディングス〉の社長さんもお見えになっている。もちろん、稜也くんのご両親――社長と執行役員の彩華さまも揃っている。「――えー、まずは御社との取引に関する企画の内容を、企画運営室の堀内よりご説明いたします。――堀内君、よろしく頼むよ」「……は、はい。では、こちらの企画書をご覧くだ――」「何なんだ、これは!? この企画書はやり直せと命じたはずだが?」 会議室のスクリーンに堀内君が投影した企画書の内容は、遠藤室長の手によって改竄されたものだ。それを彼のせいにしたいらしい室長は、ミスをした部下を𠮟りつけるというポーズで彼を怒鳴りつけた。もちろんこの事態は想定済みだったので

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